みなさんは頭皮にかゆみが生じたり、触ると脂っぽくベタベタしていることはないでしょうか?
掻いたらフケが出たり髪までベタベタしたりするので不快ですよね。
これらの症状には皮脂が関係していて、分泌する量が多いと頭皮トラブルを招きやすくなります。
なぜ皮脂を過剰に分泌してしまうのでしょうか。
今回は皮脂を過剰に分泌してしまう原因とその対策方法についてお話しします。
頭皮に分泌される皮脂とは?
皮脂は脂っぽくてベタベタとしているので、汚いものというイメージがありますよね。
そのため、皮脂は不要なものと思われがちですが、皮脂にはきちんとした役割があります。
この章では頭皮の皮脂がどのような役割をしているのかご説明します。
皮脂は頭皮環境を整える役割がある
頭皮の皮脂は、頭皮環境を整える役割があります。
そもそも皮脂とは、皮膚の内部にある皮脂腺という器官から分泌される脂質成分で、毛穴を通って皮膚の表面へと押し出されます。
この皮膚の表面に排出された皮脂が汗と混ざり合うことで皮脂腺と呼ばれる薄い膜を作り頭皮を覆います。
頭皮を皮脂膜が覆うことで下記のような働きをします。
- 外部からの刺激(ホコリや花粉、紫外線など)から頭皮を守る
- 皮膚の水分の蒸発を防いで、皮膚や髪に潤いを与える
- 肌を弱酸性にして、雑菌を繁殖させにくくする
このような働きにより頭皮環境をと整えることが出来ます。この状態を保つために頭皮には常に皮脂が必要なのです。
皮脂の量が多すぎたり少なすぎたりすると頭皮に悪影響を及ぼす
皮脂の分泌量が多すぎたり少なすぎたりすると、頭皮に悪影響を及ぼしかねません。
頭皮環境を整えることが出来るのは皮脂が適量の場合だけです。
量が少ないと頭皮を覆いきれないため、皮膚の水分が蒸発し乾燥してしまいます。頭皮の乾燥はフケやかゆみなどに繋がってしまいます。
逆に皮脂の分泌量が多いと、皮脂を好む常在菌が増殖して炎症をおこしてしまいます。炎症がおこることでニキビや吹き出物、毛穴の詰まりなどの頭皮トラブルに繋がってしまうのです。
また、多量の皮脂を長時間放置すると酸化してしまい頭皮から嫌な臭いを発生させたり、固まってしまい髪の成長を妨げる恐れがあります。
皮脂の分泌量が変化してしまう4つの原因
頭皮のかゆみやべたつきは突然おこります。そのため皮脂は気が付かないうちに増加・減少をしているということになります。
このように症状が出るまで時差があるので一体何が原因なのか分からないかと思います。
この章では、皮脂の量が変化してしまう代表的な4つの原因についてご説明します。
性ホルモンの影響
性ホルモン(男性ホルモンと女性ホルモンのこと)の影響により皮脂の分泌量は徐々に変化します。
男女共に思春期から成人にかけて皮脂を多く分泌しますが、女性は20歳をピークに減少していき、男性は20~40歳をピークに加齢と共に減少していきます。
このように女性と男性では皮脂の分泌量が全く異なるのです。
紫外線や空気の乾燥で外的ダメージを受ける
頭皮が外的ダメージを受けると皮脂が減少します。
外的ダメージは紫外線や空気中の乾燥、気温の低さ(寒さ)などの頭皮に直接当たるものが原因になります。
また、屋外だけではなく屋内でもエアコンの風が直接当たることも頭皮には強い刺激となるのです。
間違った頭皮ケアをしている
頭皮を清潔に保とうと行った頭皮ケアが原因となり、皮脂の分泌量を増やしていることがあります。
間違った頭皮ケアとは下記になります。
- 洗浄力(汚れを落とす力)が強すぎるシャンプーを使っている
- 一日に何度も頭を洗う
汚れを落とせるからいい事だと思われがちですが、これらをすることで頭皮に必要な皮脂が汚れと一緒に洗い落とされてしまうのです。
皮脂を失った頭皮は乾燥しますが、肌は頭皮の乾燥を防ごうと皮脂を過剰に分泌する働きをします。
このように頭皮のためにやったことが、過剰分泌を招いてしまっているという場合もあります。
不規則な生活習慣が原因で血行不良になる
生活習慣が不規則だと血行不良をおこしてしまい皮脂の過剰分泌に繋がります。
私たち人間の体には交感神経と副交感神経といい2種類の自律神経(循環器や呼吸器の活動を調節する神経)が存在します。
この2種類は生活習慣が整うとバランスを取ることができ正常な働きをします。しかし、生活習慣が不規則になると2種類のバランスが乱れてしまい交感神経だけが活発になります。
交感神経が活発になると、頭皮を通っている血管を縮めてしまい血行を悪くします。
頭皮や髪に必要な水分や栄養は本来なら血液に乗って運ばれますが、血行が悪いとそれらを十分に届けることが出来ません。
頭皮の水分が不足すると、その水分を補うために肌が勝手に皮脂を過剰に分泌します。
下記が不規則な生活習慣になります。
- ストレス
- 運動不足
- 睡眠不足
- 栄養不足
- 喫煙
皮脂の分泌量を正常に戻すための方法
皮脂が過剰に分泌される原因は上述にてお話しをしましたが、原因が分かっていても正常な状態に戻すにはどうしたらいいのか分からないですよね。
この章では皮脂の分泌量を正常に戻す方法や過剰分泌をおこさないための対策方法をご紹介します。
帽子や日傘で頭皮の表面を守る
帽子や日傘を使うことで、紫外線などの外的ダメージから頭皮を守ることが出来ます。
空気が乾燥している場合は加湿器を使い湿度を高くして乾燥を防ぎましょう。
正しい頭皮ケアをする
正しい頭皮ケアをすることで、必要な皮脂を残して潤いを保つことが期待できます。
洗浄力が強すぎるシャンプーでは皮脂を落とし過ぎてしまうため、過度な洗浄力と脱脂力を持つシャンプーを使うようにしましょう。
そこでオススメなのがアミノ酸シャンプーです。アミノ酸シャンプーは洗浄力と脱脂力のバランスが取れているため、必要な皮脂は守り余分な皮脂だけを洗い落とすことが出来ます。
保湿性もあるので頭皮や髪に潤いを与えることもできるのです。
また、頭を洗う回数は一日一回だけと抑えることで皮脂の取りすぎを防ぐことが出来ます。
シャンプー後にローションやオイル、育毛剤などを使うことで頭皮を保湿することが出来ます。
自律神経を整えるために不規則な生活習慣を改善する
不規則な生活習慣を改善することで自律神経が整い血行を良くすることが出来ます。
ストレスが溜まっている場合はストレスの原因を人に話してみたり、自分なりのストレス解消法で溜め込まないようにしましょう。
また、自分が苦にならない適度の運動をすると、運動不足と共にストレス解消も期待できます。
栄養不足の場合は栄養バランスを気にして食事を摂るようにしましょう。
知っている方は少ないかと思いますが、栄養素の中には皮脂の分泌を抑える効果を持つものが存在します。それが下記になります。
- ビタミンB群…皮脂の分泌を抑える働きをする。肉や魚、小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれている。
- ビタミンC…ビタミンB群と同様に皮脂の分泌を抑制する働きをする。更にニキビなどの炎症を抑える効果もある。果物だけではなく野菜にも多く含まれている。
- DHA・EPA…肝臓の働きをサポートして全身の代謝を良くする働きをする。イワシやさんま、サバなどの青魚に多く含まれている。
頭皮マッサージで血行を良くする
頭皮マッサージをして頭皮全体を揉み解すことで血行促進が期待できます。
頭を手で優しく包み込み、爪を立てずに指の腹を使い揉み解しましょう。
仕事の休憩中やテレビを見ながらなど空いた時間で簡単にできるので、定期的に行うようにしてください。
まとめ
頭皮の皮脂について分かりましたでしょうか?
適量の皮脂は頭皮環境を整える効果がありますが、過剰に分泌されてしまうと頭皮トラブルをおこしかねません。
過剰に分泌される原因はホルモンや生活習慣、頭皮ケアにあります。そのため、皮脂の量を正常に戻したり過剰に分泌させないためには生活習慣を整えたりすることが重要になります。
みなさんも自分の皮脂を正常に保てるようにしましょう。