歯周病の原因とは?予防方法を知って歯肉炎や歯周炎を阻止しよう!

食事や歯磨きをしている時に、歯肉(歯茎)に違和感を感じたことはありませんか?

歯肉が健康か不健康かは、色や状態で知ることが出来ます。

健康な歯肉はピンク色で引き締まっています。しかし、そうでない状態は「歯周病」という口内の病気に繋がってしまいます。

まずは以下の項目を見て、あなたの歯肉健康度をチェックしてみましょう。

  • 朝起きたら口内がネバネバして気持ち悪い
  • 歯磨きをしたら歯肉部分から出血がある
  • 歯肉がムズムズする、痛みがある
  • かたい物が噛みにくくなった
  • 歯肉が赤く腫れてぷにぷにして丸みをおびている
  • 歯磨きをしても口臭が気になる
  • 歯を歯の間に隙間ができた
  • 歯肉が下がって歯に見えている範囲が長くなったような気がする

いかがでしたか?実は、一つでもチェックが付いた方は歯周病の可能性が高いです。

歯周病は進行すると歯肉が衰えるだけでなく、歯が溶けてぐらぐらし、最終的に年齢関係なく抜け落ちてしまいます。

このような事態を防ぐために、今回は歯周病について詳しくご説明すると共に、原因や予防方法もご紹介していきます。

歯周病とは

歯周病とは、細菌や歯垢が歯周ポケットに入り込み歯を支える骨を溶かす炎症性疾患のことです。

歯肉部分は歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨といった歯周組織(上図)で構成されます。これらが健康だと歯周ポケットが引き締まっているため中に細菌が入り込むのを防いでくれます。

しかし、糖分の多い不衛生な食事や不十分な歯磨きをしてしまうと、細菌が歯周ポケットに入り込んで繁殖し、歯周病を招いてしまうのです。

また、歯周病は歯周組織が衰えるだけでなく、症状の進行と共に歯周ポケットに面している部分の歯が溶けてしまいます。

歯が溶ける理由は歯垢です。歯垢の中は酸性になっており歯を溶かす性質があります。

歯周病にかかると歯周ポケットの溝が深さを増して中に歯垢が溜まりやすくなります。そのため丁寧な歯磨きをしない限り、歯垢を除去できず歯が溶けてしまうのです。

歯周病には歯肉炎と歯周炎の2つがある

「歯周病」は歯周組織に起こる炎症の総称であり、段階に応じて名称が異なります。

歯肉部分のみ炎症が起きている状態を「歯肉炎」、次の段階として歯周組織全体に炎症が広がって歯が溶けていく状態を「歯周炎」といいます。

この章では、この2つの症状についてご説明します。

歯肉炎の症状

歯肉炎は、細菌や歯垢が歯周ポケットに入り込んで歯肉部分のみに炎症を起こしている状態です。

健康な歯肉はピンク色をしていますが、歯肉炎になると歯周ポケット部分が赤色になり丸みを帯びながら腫れていきます。

また、ブラッシングをした際に出血をしやすくなります。

歯肉炎は歯周病の初期段階なので、痛みというよりは歯肉部分に違和感があるような感覚です。そのため自覚が遅れてしまい症状が進行しやすいです。

歯周炎の症状

歯周炎は歯肉炎が進行し、歯肉だけでなく歯周組織全体に炎症が広がった状態です。

歯肉が赤紫色に変色し、炎症部分から出血だけでなく膿が出て口臭が発生します。

歯周組織全体がより一層腫れてしみやすくなると共に、歯肉が退縮して面積が狭くなるため歯の露出部分が広がり、歯が長く見えてしまいます。

また、悪化すると歯周病の溝がどんどん深くなって、そこに溜まった歯垢が歯を溶かしてしまうのです。

歯周組織が衰えて歯が溶けると歯間に隙間ができ、最終的に年齢関係なく歯が抜け落ちてしまう恐れがあります。

歯周病の原因

上述でもご説明したように、歯周病の主な原因は細菌や歯垢です。

しかし、それ以外にも口内環境や生活習慣などが原因となって歯周病を招いてしまう恐れがあります。

この章では、歯周病へと発展してしまうさまざまな原因をご紹介します。

口呼吸や歯並び、不適合な被せもの

口呼吸やガタガタな歯並び、不適合な被せもの(冠やセラミック)は、歯周病の原因である歯垢が残りやすいです。

歯垢は口内が乾燥していると増殖しやすい傾向があるため、口呼吸は危険です。

また、ガタガタな歯並びは歯ブラシでは磨きにくい部分に歯垢が溜まり、不適合な被せものはその周りに歯垢が付着しやすくなるので気を付けましょう。

歯ぎしりや噛み合わせの悪さ

歯ぎしりは上下の歯が過度な力で擦れ合うため、歯や歯肉に負担が掛かり炎症が起こりやすくなります。

また、歯ぎしりをしなくても上下の歯の噛み合わせが悪い場合は、噛み合わせ部分によっては強い力が掛かるため炎症を招いてしまいます。

喫煙

喫煙は歯周組織の血行不良や免疫低下をもたらすため、歯周病治療をしても治りにくい傾向があります。

タバコに含まれる一酸化炭素やニコチンといった有害物質は、歯周組織への酸素供給を妨害したり血管を収縮させたりするため、血行が悪くなってしまいます。

喫煙によって歯肉が黒や紫に変色している方がいますが、そのような状態になります。

喫煙は歯周病になっても出血や腫れが目立たないため、歯周病だと自覚するのに時間が掛かり症状が進行してしまいます。

また、有害物質によって歯周組織が衰えているため免疫が急激に低下し、歯科医院で歯周病治療をしたとしても治りが悪いです。

不摂生な食生活

不摂生な食習慣や栄養バランスは、人体に必要とされる栄養素を摂ることが出来ず体だけでなく歯や歯周組織にまで悪影響を及ぼしてしまいます。

歯や歯周組織が栄養不足になると免疫の低下によって外部からの細菌を受け入れやすくなってしまい、歯周病へと繋がるのです。

また、糖分の多い食べ物は歯垢が付着しやすく、やわらかい食べ物は唾液の分泌量が減って歯垢が増殖しやすくなります。

ストレスや過労

ストレスや過労は自律神経が乱れて免疫が低下するため、歯周病を招いてしまいます。

また、ストレスや過労が積み重なると、上述でも説明した喫煙や不摂生な食生活へも繋がるので気を付けましょう。

歯磨きで歯周病予防

歯周病の原因はさまざまですが、歯周病にならないためには口内を健康で清潔に保つことが大切です。

日々丁寧な歯磨きを心掛けることで、細菌や歯垢などから歯や歯肉を守ることが出来ます。

この章では、正しい歯磨き方法をお教えすると共に、歯周病予防に効果的な歯磨き粉の成分をご紹介します。

正しい歯の磨き方

① 歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握って、優しく磨くようにしましょう。強い力で磨くと、歯肉が傷ついて炎症を起こしてしまいます。

② 歯の表面を磨くときは、歯面に対してブラシの毛先部分の角度が90度になるように当てて磨きましょう。

③ 歯周ポケットには歯垢が溜まりやすいため、ブラシの角度を45度に傾けて磨き、歯垢をしっかりと落としましょう。

④ 歯の裏面は、磨いたつもりでも歯垢が残っていることが多いです。ブラシを縦に動かして、歯垢によるザラつきを落とすように磨きましょう。

⑤ 奥歯の溝は歯垢や食べ物が溜まりやすいため、ブラシの毛先部分をしっかり当てるようにして磨きましょう。

⑥ 歯間に溜まった歯垢は歯ブラシだけでは綺麗に磨ききれないため、デンタルフロスを使いましょう。デンタルフロスはやり過ぎると歯肉に炎症を起こすため、一日一回、夜の歯磨き後に使用することをオススメします。

歯周病を予防する歯磨き粉の成分

歯磨き粉には、歯周病予防に作用のある成分が含まれています。

以下が主な成分です。歯磨き粉のパッケージに表記されている成分表をよく見て選びましょう。

まとめ

歯周病とは、細菌や歯垢が歯周ポケットに感染し、歯や歯周組織がどんどん衰えていく炎症性疾患のことです。

歯周病の症状には段階があり、まず歯肉部分にのみ炎症を起こしている状態を「歯肉炎」、歯周組織全体に炎症を起こしている状態を「歯周炎」といいます。

健康な歯肉はピンク色をしていますが歯肉炎は赤色、歯周炎は赤紫色へと変色して、腫れもどんどん酷くなっていきます。

また、歯周炎は悪化すると歯周ポケットに溜まった歯垢によって歯が溶けてしまいます。

歯周病の主な原因は細菌や歯垢、喫煙や不摂生な生活です。口内の健康や清潔を維持するためには、まず丁寧な歯磨きをして生活習慣を改めることが大切です。

正しい歯磨きや、歯周病に作用のある成分の入った歯磨き粉を使用して、歯周病予防を心掛けましょう。