口臭は病気のサイン!口臭が発生する原因と4つの対策方法をご紹介

あなたは自分の口臭を気にしたことはありますか?

相手の口臭には気づくけれど、自分のニオイは慣れてしまっているため中々気付けないという方は多いのではないでしょうか。

手のひらに息を吐いて確認をしようとしても、手や外気の匂いに紛れてしまって分からないと思うので、以下の方法で自分の口臭を確認してみてください。

  • 袋やコップの中に息を吐いて嗅ぐ
  • 自分の歯や歯肉、舌や唾液を触って嗅ぐ
  • 歯間ケア後のデンタルフロスを嗅ぐ
  • 鏡を見て、舌が白くなっていないか確認する

少しでも異臭を感じたり舌が白くなったりしている場合は、周囲もあなたの口臭を感じているかもしれません。

口臭の原因は軽いものから病気に関わるものまで多種多様です。

自分の口臭や病気に気付くためにも、今回はさまざまな口臭の原因や対策方法をご紹介します。

 

 

口臭が発生する5つの原因

口臭と聞くと「歯磨きをしないから」「胃に異常をきたしているから」などのイメージがありますよね。

もちろんこれらも口臭の原因ですが、他にも口内環境や体の不調、外的要因などさまざまな原因があります。

この章では、口臭が発生してしまう5つの原因をご説明していきます。

生理的口臭

生理的口臭は、下記のように唾液の分泌量が減少して口内が乾燥している場合に発生します。

  • 起床時
  • 空腹時
  • 緊張時
  • 口呼吸
  • 加齢

唾液の分泌量が減少してしまうと、歯に付着している歯垢や口内に潜んでいる細菌が増殖する傾向があります。

これが原因となって発生する口臭を「揮発硫黄化合物」と言います。揮発硫黄化合物は主に以下の3種類の物質から成るため、強烈な臭いがします。

  • 硫化水素(卵が腐ったような臭い)
  • メチルメルカプタン(魚や野菜が腐ったような生臭さ)
  • メチルサルファイド(生ごみのような臭い)

また、歯磨きをした後でも唾液の分泌量が少なかったら徐々に揮発性硫黄化合物が発生してしまいます。

加齢による口臭もそれと同じです。人は30歳頃を期に唾液の分泌量が減少していくので、口内の乾燥を放ってしまうと年齢を重ねるとともに口臭が強くなってしまうのです。

飲食物による口臭

ニラやニンニク、お酒やコーヒーなどニオイが強いものを飲食すると、自分の口臭が気になりますよね。

飲食物による口臭は一時的なものなので、食後にしっかりと歯を磨けば特に問題はありません。

しかし、歯磨きを簡単に済ませて口内に食べかすや歯垢が残ってしまうと、不快なニオイが続いてしまうので気を付けましょう。

ストレスやホルモンバランスによる口臭

ストレスによる自律神経の乱れ、妊娠中・生理中に起こるホルモンバランスの乱れは、人によっては口臭が発生する場合があります。

煙草による口臭

煙草には煙草特有のニオイがあり、喫煙をすることでそれは一時的な口臭となります。

このニオイはブレスケアなどで抑えることが出来ますが、実は煙草による口臭の原因はそれだけではありません。

煙草の葉に含まれる「ニコチン」、煙草に熱を与えたときに出る「タール」といった有害物質が、煙草特有のニオイとは別の口臭を招いてしまうのです。

ニコチンやタールは以下のような悪影響を及ぼします。

  • 口内の血管が収縮し、血行不良をもたらす
  • 唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥する

血行が悪くなると口内の免疫力が低下して外部からの菌を受け入れやすくなり、虫歯や歯周病などの口内トラブルを惹き起こして口臭へと繋がってしまいます。

また、唾液の分泌量が減少すると生理的口臭のように揮発性硫黄化合物が発生してしまうのです。

病的口臭

病的口臭とは、口内や体に何かしらの異常をきたしている場合に発生する口臭のことを言います。

口内の場合は虫歯や歯周病、舌苔などがあげられ、体の場合は副鼻腔炎や咽頭炎、胃の不調などがあげられます。

病的口臭については、次の章で詳しくご説明していきます。

病的口臭のさまざまな原因

病的口臭は、口臭だけでなく口内や体の不調にも関わってきます。

症状を悪化させないためにも、心当たりのある方は早めの対策を心掛けましょう。

口内トラブルが原因の場合

健康的な口内は、程よい唾液の分泌量と毎日の丁寧な歯磨きで保つことが出来ます。

唾液が減少したり歯磨きを怠ったりしてしまうと、次のような口内の病気へと進展し口臭が発生してしまいます。

虫歯

虫歯が進行すると、腐敗臭のような強い口臭が発生します。

虫歯になる大きな原因は「歯垢」です。

歯垢とは飲食後などに歯に付着する細菌のかたまりのことで、歯磨きをして落とさない限り増殖し続けます。

歯垢の中は酸性になっているため、歯垢が付着した状態が続くと歯が溶けて穴が空いてしまいます。これが虫歯の仕組みです。

軽度の虫歯ではそこまで強い口臭は発生しませんが、虫歯部分に食べかすや歯垢が入り込んでしまうことで虫歯の悪化とともに口臭が発生してしまいます。

また、虫歯が歯の神経部分まで到達すると神経が腐り、強烈な腐敗臭を発生させます。

歯周病

歯周病は症状が悪化すると膿が出て、強い口臭が発生済ます。

歯周病とは、細菌や歯垢が歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)に入り込んで繁殖し、歯や歯肉をどんどん衰えさせていく炎症性疾患のことを言います。

健康な歯肉はピンク色で引き締まっていますが、歯周病になると歯肉部分が全体的に腫れて赤紫色に変色してしまいます。

それだけでなく、ブラッシング時に出血をしたり歯周ポケットの溝が深くなったりします。

その状態の歯周ポケットに、さらに食べかすや歯垢が入り込んでしまうとブラッシングをしてもなかなか落とすことが出来ず、虫歯の時のように口臭が発生してしまいます。

また、症状が悪化すると歯肉部分から脳が出てさらに強い口臭が発生してしまいます。

舌苔

舌苔は舌ブラシで綺麗にしない限り強い口臭が発生します。

舌苔とは、正常な舌が淡い赤色をしているのに反して、舌の表面に白い苔のようなものがこびりついている状態のことを言います。

この白い苔の正体は、舌の表面にある小さな無数の突起の間に入り込んだ飲食物の汚れや細菌、口内の粘膜などです。

唾液の分泌量が減少して口内が乾燥していたり、歯磨きを怠って口内が不衛生な状態になったりしている際に発生します。

そのため、揮発性硫黄化合物や汚れの腐敗臭によって強烈な口臭が発生してしまうのです。

また、舌をケアする際は歯ブラシではなく舌ブラシを使用するようにしましょう。

歯ブラシはブラシの太さや硬さ、大きさが舌に合わないため、舌を傷付けて舌苔や炎症を招いてしまう恐れがあります。

その点、舌ブラシは舌の形に合わせて横長の形状をしており、ブラシ部分も舌に傷が付かないようにやわらかく作られているのでオススメです。

体の不調が原因の場合

口臭が発生する原因のほとんどは口内環境によるものですが、中には口内以外の不良が原因となる場合があります。

症状の悪化や口臭を防ぐためにも、下記のような病気に気を付けましょう。

副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻と口は繋がっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)になってしまうと口臭が発生します。

副鼻腔炎とは、鼻の穴の奥にある副鼻腔(上図参照)という部分にウイルスや細菌が感染して炎症を起こし、膿が溜まっている状態のことを言います。

副鼻腔炎は次のような症状を惹き起こしてしまいます。

  • 膿が溜まることによって口臭が発生する
  • 膿混じりの鼻水や痰が出る
  • 副鼻腔部分である眉間や目頭、頬などが痛くなる
  • 副鼻腔の粘膜が腫れて鼻が詰まる

膿による口臭だけでなく、鼻が詰まって口呼吸をすることによって口内が乾燥し、揮発性硫黄化合物が発生してしまうのです。

咽頭炎

喉も口と繋がっているため、咽頭炎になってしまうと口臭へと関わってきます。

咽頭炎とは、咽頭部分にウイルスや細菌が感染して炎症を起こした状態のことを言います。

外部からの菌のほとんどは口から侵入してくるため、口呼吸が癖になっている方は咽頭炎を起こしやすいです。

また、咽頭炎にかかっている際に口呼吸をしてしまうと口内に入ってきた菌やホコリが咽頭の炎症部分に停滞し、症状がさらに悪化する恐れがあります。

症状が悪化すると、膿栓が出来て強い口臭が発生してしまいます。

胃の機能低下

胃の調子が悪くなって機能が低下すると、消化不良を起こして口臭へと繋がります。

本来胃は、咀嚼して胃まで運ばれてきた食べ物を胃液とともに混ぜて消化し、液状になったものを腸へ贈る働きをします。

しかし胃の調子が悪くなると、胃液の成分である胃酸が出にくくなって消化不良を起こしてしまいます。

そうなると消化しきれなかった食べ物が胃に留まり、発酵されて異臭が発生します。この異臭が器官を通って上がり口臭へと変わってしまうのです。

口臭を発生させないための4つの対策方法

口臭は自分というよりも相手に不快な思いをさせてしまいます。

社会のマナーとして、日頃から口臭対策を心掛けましょう。

丁寧な歯磨きを心掛ける

歯磨きは口臭対策の大前提なので、毎日しっかりと丁寧に歯を磨きましょう。

飲食をすると歯には必ず歯垢が発生します。特に上図にような隙間や溝になっている部分はブラシで磨きにくいため、歯垢が溜まりやすいです。

磨き残しは虫歯や歯周病、舌苔などの口内トラブルに繋がるため、デンタルフロスや自分の口内に相応しい歯ブラシを選んで使うようにしましょう。

歯ブラシの選び方や正しい歯の磨き方はこちらをご覧ください。

あなたに合う歯ブラシはどの形?選び方次第で歯の健康が変わる!

あなたの歯の磨き方は正しい?歯磨きをする際の重要ポイントは?

唾液の分泌量を増やす

揮発性硫黄化合物を発生させないために、唾液の分泌量を増やすようにしましょう。

唾液は噛む動きによって分泌が促されます。

口内が乾燥してきたと感じたら、ガムを噛んで唾液を増やし口内に潤いを与えましょう。

甘いガムは口内に糖分が残って虫歯に繋がる可能性があるので、ノンシュガーのガムをオススメします。

また、こまめに水分補給をすることも口内の乾燥を防ぐ対策になります。

生活習慣を整えて免疫低下を防ぐ

免疫が低下すると外部からの菌を受け入れやすくなり、口から侵入してきた菌によって口内トラブルを惹き起こす恐れがあります。

過度なダイエットや睡眠不足、ストレスなどが免疫を低下させる原因となります。

虫歯や歯周病、舌苔などの口内トラブルだけでなく、鼻や喉、胃にまで影響が及び、副鼻腔炎や咽頭炎、胃の不調などを起こし兼ねません。

睡眠や休息、バランスの良い食事をしっかり摂って、免疫低下を防ぎましょう。

口内や体の不調は各機能別の医師に相談する

病的口臭に心当たりがある方は、各機能別の医師に相談してみましょう。

まとめ

口臭は主に以下の5つの原因に分けられます。

  • 生理的口臭
  • 飲食物による口臭
  • ストレスやホルモンバランスによる口臭
  • 煙草による口臭
  • 病的口臭

これらの口臭は、歯磨きを怠った不衛生な口内・唾液の分泌量減少による口内の乾燥・口内や体の不調などが原因となります。

病的口臭は、虫歯や歯周病、舌苔などの口内トラブル、鼻や喉、胃などの不調によって口臭が発生してしまいます。

口臭を防ぐためにも、以下のような対策を心掛けましょう。

  • 毎日しっかり丁寧に歯を磨く
  • ガムを噛んだり水分を摂ったりして唾液の分泌量を増やす
  • 生活習慣を整えて免疫低下を防ぐ
  • 病的口臭に心当たりがある方は各機能別の医師に相談する